こんにちは、えむしです。
「LA LA LAND」には期待をして観に行ったのですが、これはその期待以上の映画でした。
はじめに
監督はデミアン・チャゼル、1985年生まれの32歳。新進気鋭の監督です
これが第二作目となります。
La La Landとは
ロスアンゼルス、主にハリウッド地域の愛称のこと。
また陶酔し、ハイになる状態。夢の国。
パンフレットより。
ちゃんと意味のある言葉だったんですよ。知らなかったなあ・・・。
多くの映画賞も受賞しました
特にオスカーには14の賞にノミネートされ
- 監督賞
- 主演女優賞(エマ・ストーン)
- 撮影賞
- 美術賞
- 作曲賞
- 主題歌賞(City of Stars)
以上の6部門を受賞しました。
他の映画祭でもグランプリを含む多数の賞を受賞しています
しかし、このグダグダはいろいろとちょっとかわいそうな事件・・・。
オスカー史に残るだろうなぁ。
視聴する前にオススメしたい映画とオマージュについて
この映画を観る前に、観ておくべき映画をあえて数を絞って挙げるなら三つ。
「セッション」(2015年)
「理由なき反抗」(1955年)
「雨に唄えば」(1952年)
あとはできれば「カサブランカ」も。特に、セッションは監督のジャズに対する哲学が見える熱い熱い戦いの映画です。
是非見てください!今ならHuluで見られます。
ミュージカル映画が好きなら出来る限り見てくださいとしか言えない位色々な映画をオマージュされています。
オマージュのされてる映画のリストはこちら。
オマージュの仕方とその数が凄い。
ロケ地をまとめている方も。
この映画には音楽への、とりわけジャズへの愛が溢れている
前作の「セッション」を見ても分かる通り、デイミアン監督の「ジャズ」への愛は尋常ではありません。
ジャズと言うのは、プレイヤーのエゴとエゴがぶつかり、音楽が出来上がるのだと、主役セバスチャンが熱く語ってくれます。
「ケニーGのエレベーターのBGMみたいな〜・・・」と語るところでは少し笑ってしまいました。僕は嫌いじゃないんですけどね。要はヌルイ音楽がジャズだと思ってんじゃねえ!!!ってことが言いたいんですよ。
前作の「セッション」では音楽の映画と言うより、決闘の映画と呼んだ方が良いのではないかと思うくらいの熱いエゴのぶつかり合いを見せてくれました。
ジャズは今まさに、死につつある。
映画の中のセバスチャンは「本物のジャズ」が聴けるジャズバーお店を出すことでジャズを生き還らせようとします。その為に好きでもない音楽活動に身を投じていくのですが・・・。
あるパーティの会場で、偶然ミアがセバスチャンに出会います。
会場では彼は80年代バンドのキーボードとして演奏をしていました。
俺にこんな曲を演奏させやがって、みたいに弾くセブ、ノリノリで踊るミアが可愛くて素敵でした。:えむふじん談
「セッション」で鬼の教授、フレッチャー役で出演していたJ・K・シモンズも今回ちょっとした役で出演しています。演技の雰囲気が似ていたから、もしかしたらフレッチャーのその後??と思って後で役名を確認してみたら「ビル」だった。残念。
きっと監督の次回作もまた、ジャズ絡みかな・・・?
サウンドトラックも素晴らしい
セブとミアが物語の主役なら、音楽はこの映画の主役。
iTunesで衝動買いしてしまいました。
中でも気に入っているのは一曲目のAnother Day of Sun。
できればフルで聴いて欲しいけど、試聴の30秒でもぜひ!幸せな気持ちになります。
City of Starsは主題歌賞を受賞しました。
ネタバレの無いあらすじと感想
話としては王道で、最悪な出会いをした男性(セバスチャン)と女性(ミア)が、やがて恋に落ちていき、仕事の成功がきっかけでお互いの立場が微妙に変化し、そして・・・というようなストーリーです。
王道のストーリー展開ゆえ、先は読みやすいのだけど、ラストは・・・。できれば映画を見て確認して欲しい。
映画にはワンカットでの撮影も多く、特にオープニングのロサンジェルスのハイウェイで歌うシーンは圧巻です。
このトレーラーの最初の部分と1:50〜からの部分。必見ですよ!
稜線のオレンジと、空のコントラスト。マウントハリウッドドライブで踊るシーンなんか、この時間を逃したら絶対この絵はとれない。
このシーンに代表されるような、夜と夕方の間の時間はよく出てきました。
夢と現実との間だったり、セブとミアの距離感や関係性を比喩的に表現したんでしょうか?
なんにせよ、とても幻想的でした。
ネタバレのある感想
冬春夏秋と過ごしてきた二人は、セブは人気バンドのツアーを続け、最後にミアが映画のオーディションに合格しパリに行く事で一つ区切りがつきます。
ラストシーンの5年後、女性が結婚して家庭を持って、男性が一人身というのは、どこか「秒速5cm」のラストみたいだねってえむふじんと話していました。二人とも女優になるとかジャズバーを持つとかの夢は叶えているわけで、そこは全然違いますけども。
Chicken on a Stick(セブが考えていたジャズバーの名前)なんてダサい名前!SEB'Sの方が良い!って言ってたミアが、それと知らずご主人さんと入っていくなんて皮肉でしたねー・・・。アポストロフィもミアが言ってたように音符マークになっていたし。
セブの演奏を聴きながらの、映画とは違う「もしも」の回想シーンは、一瞬これが本当の話で、もしかしたら、今までの映画が実は・・・と言う展開を期待する程。だからこそ、演奏が終わり、やっぱり現実は現実でした、となった瞬間は少し暗い気持ちになりました。
思い出は、思い出のままで。
二人がくっつくと言うハッピーエンドでは無いけれど、二人が夢を叶えたと言う意味ではハッピーエンドなのかな。
最後に
La La Landは、映像も音楽も飽きるまで味わいたくなるような映画でした。
ミュージカル映画が好きなら観ない理由は無いでしょうし、そうで無い方も是非!
監督の表現している事をフルで味わおうと思うと、音楽方面はもちろん映画も色々と網羅する必要がありそう(笑)
こういったクラシックな映画の手法を取り入れた映画が出てヒットするというのは、映画界にも色々な刺激になったでしょうね!
監督の次回作も楽しみです。
オススメ度
★★★★★
(★5で満点)
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今ならHuluでデイミアン監督の前作「セッション」が見られますよ。
ジャズへの熱いソウルを感じる作品です。未視聴の方はぜひ!
こちらは一度観ただけで疲労困憊するような、魂を持って行かれる映画です。