こんにちは、えむしです。
「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」
本日から公開ですね。
先日、オンラインシアターの試写会を夫婦で観ましたので感想を。
青山シアターについて
まずはオンライン試写会でこの映画を見る機会を与えて下さった青山シアターのご紹介
GAGAが運営するオンラインの劇場であり、配給している映画のサイトも設置してあります。
いわゆるミニシアター、単館系の映画を多く取り揃えているのが特徴です。
興味を持たれたら会員登録をしてみてください、今回のような試写会などもありますよ。
あらすじと予告編の紹介
公式HPよりあらすじ
1944年10月25日、世界的音楽の殿堂、ニューヨークのカーネギーホールで今もアーカイブの一番人気となっている公演が開催された。出演者はフローレンス・フォスター・ジェンキンス、彼女は類稀なるオンチだったにも関わらずチケットは即完売、ホールの外には入りきれない群衆たちが押し寄せたという。
〜中略〜
ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンスの尽きない愛と財産は、夫のシンクレアと音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。愛する妻に夢を見続けさせるため、シンクレアはおひとよしなピアニストのコズメという伴奏者を見つけ、マスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど献身的に立ち回っていた。しかしある日、フローレンスは世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出して―。持病を抱えながらも音楽に生きる彼女の命がけの挑戦に、シンクレアも一緒に夢をみることを決める。さあ、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがる!
何という長いあらすじ・・・
ちなみに、今年公開された「偉大なるマルグリット」もマダムフローレンスの話をもとに作られた映画でした。
予告編を見てみる
予告編雑談
うーん、この予告編とあらすじは最後のシーンが描かれてないだけで、ほぼほぼネタバレなんじゃ・・・。特にあらすじ長すぎでしょ、これ。
まだ本編を観てないけど、なんとなく筋が分かってしまうよね。良いのかな?
まあ、とりあえず観てみよか。
そやねえ。
ネタバレのある感想
マダム、金持ちの優しいジャイアンやったな(笑)。
それ思った、最初の歌のシーンを漫画にしたらジャイアンの「ホゲー」やなーって(笑)。
感動の実話、ってあるけれど、実際はそういう感動的な話ばかりじゃなかったね。イギリスの映画らしいシニカルなエッセンスが散りばめられてる。
確かにそうだね。「感動」はしたけどちょっと思ってたのと違った。カーネギーホールの劇場で、マダムが下品って言ってたあの女の人が、(客として招いた)タンカを切って軍人たちの雰囲気を裏返したところは痛快で良かった。そこに一番感動したよ。
あのシーン、この映画の中で一番良かったよね。勇気のある行動だった。そして素直な軍人さんたちにも好感が持てた(笑)
公式HPにはピアニストもお人好しって書いてあるけど、お人好しになったのって最後のシーンだけだったよね、感動モノに寄せようと言う配給の意図が見え隠れする(笑)
マダムの居ない場所じゃお金目的なのと野心丸出しだし(笑)最後カーネギーホールでコンサートが決まった時は、笑い者になるのが嫌でコズメ(ピアニスト)は逃げる気満々やった(笑)
まあ、悪人では無かった。人間味溢れる良い人だったよ。遺産をあげるって言われた時の「マジっすか!!!」みたいな顔になってから、ウキウキなの必死に隠して遺書に自分の名前も書いてもらってるシーンとかさ(笑)最終的にボディービルダーになるってオチも含めて良かった(笑)
(ここで公式HPを見て)へえ別な人がピアノを弾いているるわけじゃ無いんだ!控えめに言ってもプロレベルだったよ!演奏が役者さん本人って凄いね!
ところでさ、あらすじで伏せられている夫婦の二重生活の部分も面白くなかった?実はシンクレア(ヒュー・グラント)には恋人がちゃんといて、マダムとはお金が目的で結婚して体の関係も無い。でも完全に割り切った風でもなくて、情はある。そこが妙に生々しかった。実話だから、かな。
裏の顔と表の顔が変化して行く部分がきっと、この映画の伝えたかった部分だよね。シンクレアの葛藤が伝わって来る感じ、真に迫る物があったよ。
登場人物の関係性を把握するまでは「なんでー???」って思う部分もあったけど、それが分かれば「なるほど」って思う事は沢山あったよねー。理解を深める為にもう一度見たいかも、レンタルで・・・。
でも映画館で見ても良い映画だったよね。見に行こうか考えてた映画だし。
うん。最後の劇場のシーンは特にそう感じた。試写会で観てなかったら観に行ってたかもしれないね。
観終わってからは、ざっとこんな感じの会話をしました。
ほぼネタバレの無い感想
マダムを演じたメリルストリープの演技がとても光ったこの一作。
重いものを背負っているのに彼女は明るさを絶やさないし、また弱さも隠さない。
いつ死んでもおかしく無い病に犯された過去の話、本当はお金目的で自分の周りに人が居るだけなんだと、どこか気づいている節のある雰囲気。明るく振る舞うマダム・フローレンスの秘めた悲しさが伝わって来ました。
そんな彼女を支えるシンクレア(ヒュー・グラント)とピアニスト役のコズメを務めたサイモン・ヘルバーグも素晴らしかった。
僕はヒュー・グラントのニヤけた顔と軽い雰囲気の演技が好きでは無かったんですが、今回の映画で持っていた印象が全く変わりました。俳優って凄いですね、やっぱり。
また、サイモン・ヘルバーグ(今回の映画で初めて知りました)のコミカルな演技とピアノの演奏は「音痴の妻を持ち上げるための評判と客を金で買う」と言う、よく考えたら愉快な要素なんて無いこの映画を、明るく照らすエッセンスになっています。
愛の形は人それぞれだな、と思うのと同時に、決して良い夫婦の話でも無い、と言うのが正直な感想です。
本物の歌を聞いてみよう
マダムフローレンスを有名にした「音痴な歌」は単純に想像以上でした!
下手は下手なんですけど、妙な味がある。そう言う意味での想像以上です。
メリルストリープもこの歌を再現するように練習するのは相当骨が折れたハズ・・・。
本人の実際の歌と比べても驚くほどそっくりです。
実際のマダムフローレンスの歌声↓
まとめ
オススメ度 ★★★★
★5で満点
普通に見ていても、ストーリーの進行がある程度予想できるので安心して観られる映画でした。
それ故意外性のある展開に欠け、そう言った部分にやや退屈さを感じたのも事実。
しかしながら、そう言った意外性をこの映画に求めるのは間違っている気もします。
感動もしたいけど、イギリスの映画特有のシニカルさが好きって方は是非観て下さい。
この作品が秀作以上である事には間違いはありません。損はしませんよ。