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えむしとえむふじんがあらわれた

オタクな夫婦が書く日常とか思った事なんかのアレコレに思い出話とか。三人の子持ちです。

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ホームレスが売る雑誌、THE BIG ISSUE(ビッグイシュー)日本版に疑問を抱いた

f:id:mshimfujin:20161026191406j:plain僕がロンドンにいた15年前、地下鉄なんかの入り口で「ビッグイシュー ビッグイシュー」と声をあげる売り子の方をよく見ました。

THE BIG ISSUEは、単にお金を寄付するのではなく、雑誌を買う事でその売り上げが分配されるので、働き口を失った人の自立支援として大きな役割を果たしています。

当時、正直読める部分は多くなかったのですが、紙面がおしゃれだったので雰囲気で時々購入していました。映画とか演劇の情報もあって英語の勉強がてらそれなりに楽しめたんですよ。

そのTHE BIG ISSUEは、2016年の10月の頭にめでたく25周年を迎えました。

THE BIG ISSUEについて

www.bigissue.com

 

サイトの説明文にある「Journalism worth paying for」は、意訳ですがお金を払う価値があるジャーナリズム(雑誌)ですよーって感じの意味です。

 

また、そのページのトップには、こうあります。

f:id:mshimfujin:20161024163913p:plain

ビッグイシューの売り子さんは働いているんですよ、物乞いをしているじゃありません。だから雑誌を買って下さいね」


記事には貧困に関するものを軸に俳優さんやミュージシャンのインタビューがあったり、映画のレビューとか豊富な読み物があります。

f:id:mshimfujin:20161227152956j:plainTHE BIG ISSUE MAY23 2016より

 

貧困の問題を気にしなくても普通に面白い雑誌を作っています。

ここがTHE BIG ISSUEの良い部分だと思います。 

実際に買ってみた

例えば、今年の5月23日号なんですけど、ちょっと目を引いたのでZinioで買ってみました。それと、25周年の記念号も。

f:id:mshimfujin:20161227101958j:plain

jp.zinio.com

5月23日号はデイジーリドリー(Star Wars ep7で主演されていた女優さん)と、ジブリの特集がありました。

ちょっと脱線するので折りたたみ。

f:id:mshimfujin:20161227102608j:plain

f:id:mshimfujin:20161227102625j:plain

彼女は「おもひでぽろぽろ(英題:Only Yesterday)」の妙子の吹き替えを担当したようです。

一部分だけどちょっと訳してみます。

あなたは来月初めてリリースされるスタジオジブリ映画「おもひでぽろぽろ」のために声を当てます。レイ(スターウォーズエピソード7)の後、強い女性キャラである妙子を演じるのは楽しいですか?

〜中略〜

おもひでぽろぽろ」は今、女性の描写において画期的なものになるはずです。 おそらく映画のジェンダーという点では、日本がその先を見越しているという例です。

〜中略〜

あなたの日本への愛はどこから来たのですか?

私のお母さんは、私を妊娠していたことを知らなかった時に、寿司を食べて病気になってしまったの(日本嫌いになった??)。だから、(私が日本を好きなのは)変なサイクルよね。

〜中略〜

その気持ちがどこからやってくるかは分かりませんでしたが、日本へ行く事は我が家に家に帰ってくるように感じました。

私は1960年代に育った日本人の女の子じゃない。でも「おもひでぽろぽろ」に出てくるような人生の交差点に差し掛かった女の子の事って、世界共通の事ですよ。絶対に。

このように、お堅い社会派の記事だけじゃ無いのがイイですね。

日本以外でこんな風に日本が好きだとかって言ってくれるのを見ると、やっぱり嬉しい。

THE BIG ISSUEは貧困問題をどのように捉えているのか

THE BIG ISSUEは社会が作り出す貧困が問題だと考えています。

例えば、就職氷河期に就職が困難であった、と言うのは社会的な構造や情勢が引き起こした問題であり、個々人の努力不足がもたらした物ではありません。

toyokeizai.net

努力によって個人が救われることはあっても、世代としてみると救われることは無いのです。

構造的な貧困、これを是正しようと頑張っているのがTHE BIG ISSUEの取り組みです。単に啓蒙活動をするのではなく、THE BIG ISSUEの販売を通してシステムそのものの変化を促そうとしているのです。

ビッグイシューマニフェスト

サイトのトップにも、雑誌の目次にも載っています。

どれだけ大切にしているかわかると思います。

 

1.WE BELIEVE IN A HAND UP, NOT A HAND-OUT...
Which is why our sellers BUY every copy of the magazine from us for £1.25 and sell it on to you for £2.50. In this way we have helped hundreds of thousands of people to take control of their lives over the past 24 years.

1.私たちは手渡しする事を信じています、分け与えられる事は望んでいません...
これは売り手が(販売する)雑誌の全部数を£1.25で購入し、£2.50で販売する理由です。 このようにして、私たちは過去24年間に何十万人もの人々の生活をコントロールするのを手伝ってきました。

2.WE BELIEVE IN TRADE, NOT AID...
Which is why we ask that you ALWAYS take your copy of the magazine - it's a bloody good read and our sellers are working and need your custom.

2.私たちは助力ではなく、商売を信じています...
だからこそ、私たちはあなたがいつでも雑誌を手に取ってくれる事を望んでいます。それはとても良い読書であり、売り手は働いており、あなたの習慣を必要としています。

3.WE BELIEVE IN PREVENTION...
Which is why Big Issue Invest offers backing and investment to social enterprises, charities and businesses which are seeking to prevent and tackle poverty and create opportunity.

3.私たちは予防を信じています...
Big Issue Investが、貧困を予防し、機会を創出しようとしている社会的企業、慈善団体、企業に支援と投資を提供しているのはこのためです。

4.WE BELIEVE POVERTY IS INDISCRIMINATE...
Which is why we provide ANYONE whose life is blighted by poverty with the opportunity to earn a LEGITIMATE income.

4.私たちは貧困を是正すると信じています...
だからこそ私たちは人生に貧困によって苦しんでいる誰にも正当な収入を得る機会を提供します。

5.WE BELIEVE IN THE RIGHT TO CITIZENSHIP...
Which is why the Big Issue Foundation, our charitable arm, helps sellers tackle their social and financial exclusion.

5.市民権を信じる
私たちの慈善団体であるBig Issue 財団が、売り手が社会的、財政的排除に取り組むのを助けるのはこのためです。

 

ざっとgoogle翻訳ですが、こんな感じですよ。

貧困問題に真剣に取り組んでいるかがわかるかと思います。

本家はBIG ISSUE JAPANをどう紹介しているか

本家の25周年記念号にありました。

f:id:mshimfujin:20161106171558p:plain

説明を見てみましょう。

  • 初めての出版は、2003年の9月、大阪で始まりました。
  • 発行の頻度は隔週
  • 販売人は170円で雑誌を買って、350円で売っています。
  • 販売人の方は150人、13の主要な都市にいます。
  • 最初の10年間で6百万冊売って、630万ポンドを販売人の方に稼ぎました。

こんな感じでさらっと紹介されていました。

本家のホームページを軽く見て回ってみたけど、日本版の紹介なんかはありませんでした。

日本版も買ってみた

さて先々月の中頃、表紙のレニーゼルヴィガーを久しぶりに見て懐かしくなったので、ビッグイシューの日本版も買ってみました。

f:id:mshimfujin:20161227132643j:plain

¥350。値段は本家とあまり変わりません。

でも、内容は・・・だいぶ違って見えます。

日本版

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本家

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画像はクリックで大きくなります。

 

日本版が芸能とかに割いている部分は数ページ。販売者紹介は本家の翻訳。

なんか思ってたのと違った。

原発は個人的にも減ったらいいなと思ってるけど、この雑誌で何ページも特集を組まれて読みたい読み物じゃない。それに、昆虫食のわくわくする楽しさを伝えられてもね・・・そう言うのはベア・グリルスさんとかでお腹いっぱいだよ。そもそも彼は別にわくわくして食べてるわけじゃ無いけれど。

ホームレスが売る雑誌「ビッグイシュー日本版」

www.bigissue.jp

サイトの説明文には2016年12月27日現在、「ホームレスが売る雑誌「ビッグイシュー日本版」1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。」とあります。

 

ホームレスが売る???

 

こちらは本家の販売人紹介。

Our Vendors | Big Issue

文化の違いもあるかと思いますが、販売人(ベンダー)の方がどんな方か、一人一人丁寧に紹介してあります。

 

それに僕は別にホームレスの方が売っているから買うんじゃ無いんです、それじゃ施しと一緒だと思うんですよ。

 

Journalism worth paying for

雑誌が面白いから買うんですよ、それをこそ書き記すべきだと思います。

日本版とはいえ、ちょっと哲学が違いませんか?

Wikipediaの記述から見るビッグイシュー日本版の方向性と違和感

ちょっと思ったのと違ったので、Wikipediaも覗いてみた

2011年発行の167号から徐々に内容を変質させ、、2016年7月現在、反原発、反自民安倍政権、反米軍基地などを中心とした誌面となっている。

2014年発行の204号以降、販売者を紹介する「今月の人」コーナーへの日本国内販売者の掲載が減り、海外で同様の雑誌を販売している人たちの紹介が多く掲載されるようになった。

2015年にSEALDsを特集した270号からは、41号より続いていた連載「ホームレス人生相談」を打ち切り、枝元なほみによる料理コーナーと統合した。

ビッグイシュー - Wikipediaより

最近のビッグイシューを手に取ったのは一冊だけだし、このWikipediaの記述を見ただけですが、これらを「ホームレス」の方が販売する意義があるのか大変疑問に思いました。

そもそも日本版は本家と比べ貧困問題へのアプローチが足りない。本家の方はもっと貧困問題を身近に感じさせてくれていますよ。

バックナンバーのタイトルも見てみましたが、今回のものと内容が大きく違うと言い切れそうな記事はそう多く無いように見えました。

英国版は先に書いたように現地で手にとって購入したこともありますし、先に挙げたようにオンラインで二冊ですが購入もしました。何度か読んだ事もあるので素晴らしい雑誌だという事はよく知っています。

愛読していたとは言えないけれど、それでも本家のTHE BIG ISSUEが好きだったので日本版の内容には違和感を覚えます。

漫画を買ったのに小説がメインで掲載されてたら誰でも面食らいますよね、僕にしてみたらそんな感じでした。

まとめ

日本版という事でローカライズはあって然るべきですが、ビッグイシュー日本版は本家と比べて内容の独自路線が強くなり過ぎて本家THE BIG ISSUEマニフェストまで謎のローカライズを受けているように見えました、少なくとも僕自身には。

貧困者支援の雑誌を標榜するなら、販売人さんの為にも本家のTHE BIG ISSUEのような一般の方でも手に取りたくなるようなエンタメ情報をもっともっと掲載するべきでは。

現状はビッグイシューマニフェストより編集の方々の思想の方が優先されているように見えます。

 

個人としては、現ビッグイシュー日本版に引いてしまいました。

同じような紙面が続くなら、僕が紙面を手に取る事はないでしょう。

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