こんにちは、狂気を感じる映画が好きなえむしです。その中からオススメの映画を選んでみました。もしよければ年末年始に楽しむ映画に加えてみてください。
はじめに
人間の奥底に眠る何かが呼び起こされるのは、並大抵の事ではありません。映画という虚構の中でも、それは変わらないと思います。
紹介する映画はサスペンスものばかりじゃありません。どこかに狂気めいたものを感じる作品をチョイスしています。
また紹介にはなるべく偏った視点からコメントを添えておきました。ややネタバレを含んでいる部分もあるのでご容赦を。
紹介順に大した意味はありません、思いついた順に書いています。添えてある動画は予告編です。
なお、気分が悪くなっても責任は持てないので自己責任で鑑賞してくださいね。コピペで紹介されるような映画を少しだけ外して紹介します。
Amazonプライム・ビデオに入っている作品はそちらへリンクを貼っておきます。入ってない作品はカエレバを貼っておきました。
1.リミット
まず、閉所恐怖症の方はこの映画を見ないほうが良いでしょう。
登場人物は一人、この95分の映画はずっと棺の中だけで映画が進むのです。低予算なインディペンデント系の映画です。
観ているだけで息苦しさとストレスでおかしくなりそうな気分になります。
閉塞感に押しつぶされたくなるような方にオススメの映画です。
是非夜中に、出来れば部屋を暗くして心に逃げ場が無くなるように一人で観てください。
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2.奇跡の海
僕が初めてラース・フォン・トリアー監督の映画に出会ったのがこれでした。ダンサーインザダークで有名な監督さんです、他にも数多くの鬱作品を取られています。と言うより鬱映画しか撮ってません。
本作は倒錯した愛の形を描いた衝撃作です。主演のエミリー・ワトソンが不憫でなりませんでした。
この映画でより上質な絶望を感じたいのであれば、大事な方と一緒に見てください。二人とも気分が悪くなって、言葉少なになる事間違いなしです。僕は初見じゃなかったのに、妻のえむふじんと観終わったときはそんな気分になりました。
救いは多分ありません。色々なメタファーが散りばめられているので頭の良い人なら何かしら救いが見つかる映画かも知れませんが、僕の知能では絶望しか見つかりませんでした。
男女の愛と絶望を同時に味わいたい方向けの映画です。
性描写に異常性を感じるので、その辺りも必見です。
鬱映画だけ観たいならトリアー監督の映画を全部観るのをオススメ。
3.リービングラスベガス
アル中のおっさんが、会社を辞めて死ぬまでお酒を飲む為にラスベガスに行くだけの物語です。
男女の話なので肉欲的な事もあったりしますがアル中と売春婦の話なので単なる恋愛物とも違いますよ。
ボロボロになって行く二人を眺め、ただただ悲しい気持ちになりたい方にオススメの映画です。
以前も紹介しましたがスティングの曲も良いです、悲哀に花を添えてくれます。
尚このBlu-rayは格安ですが、字幕がむちゃくちゃで画質もDVDレベルらしいので購入はおすすめしません。レンタルで探しましょう。
4.アメリカンヒストリーX
この時代にこそ見てもらいたい映画。
Xとは黒人の事(奴隷時代、彼らは名前を書けなかったのでXとサインした)や、それに由来するアメリカの闇みたいなものを表しているのでしょう。人物と言うより社会の歪みを描いた作品。
ネオナチやKKKの思想を持った主人公をエドワード・ノートンが演じます。物語の冒頭で殺人を犯すのですが、その方法が・・・。展開に関してはあえて多くは語りません。
ラストシーンで心を叩き折られたい方向けの映画。
初めてこの映画を観た時の喪失感は、今も鮮明に心に刻まれています。
Amazonで観られますが有料のレンタル作品になります。
5.ボーリングフォーコロンバイン
マイケル・ムーア監督の名前を一躍有名にしたドキュメンタリーの作品。
コロンバイン高校の事件は銃乱射事件の走りだったと思う。事件を起こしたのはいじめられっ子の少年二人。
スクールカーストや銃を簡単に手にする事ができる社会が問題なのに、家庭崩壊、貧困、暴力的な映画やゲームなどその他に問題があると叩きまくるアメリカ社会の闇を、ユーモアを交え白日の元に晒します。
彼らがよく聞いていたって事で地元でのライブが中止に追い込まれたマリリンマンソンもインタビューの形で作品に参加しています。
「俺の曲より直前まで遊んでたボーリングの方が問題なんじゃねーの?」
もちろんそんなワケ無いのはマリリンマンソンも承知の上。
この映画が最初に公開されてから15年。アメリカの銃規制はほとんど進んでいない。
銃社会のアメリカに希望が持てない方のための映画。
彼の作品を評価するしないは別として、アメリカの社会に蔓延る病と向き合い続ける姿勢は賞賛に値すると思います。
日本人なら全米ライフル協会の主張には狂気を感じるかと思います。
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6.ハート・ロッカー
バグダッドでアメリカ軍の爆弾処理班やってる人のお話。
全く役に立ちそうに無い防護服を来てギリギリのところで爆弾の解体を繰り返すせいで、せっかく日常に戻っても戦場で生きる事にしか価値を見出せなくなります。
「パパの好きなものは、一つしか無い」
戦場で冷静に気が触れてしまった人を見たい方の為の映画です。
ハンディカムを多用しているせいだと思いますが、絵作りは割と地味です。リアルさにこだわって撮影されたというだけあって、細かな描写も見所の一つ。
7.セブン
7つ目という事でセブン。ブラッド・ピットが出演している映画の中でも一番狂気を感じる映画はこれでしょう。
「七つの大罪」に沿って殺人が行われていき、それを捜査する刑事さんのお話。
次第に犯人を追い詰めますが、同時に自分も追い詰められていきます。
憤怒の殺人によって大罪が完結する部分はあまりに残酷で、幕引きとしては華麗で感動的とも言えるでしょう。
怒りと絶望を同時に感じたい方向けの映画。
グロさもこの映画の良いスパイスなんですが、苦手な方はご注意してくださいね。
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8.ラッシュ/プライドと友情
レースに身を捧げたジェームス・ハントとニキ・ラウダの実話を元にした映画。
1970年当時のF1は平均毎年二人のレーサーが死んでいくという過酷な状況。
時代を考えるとF1レーサーという職業である事がすでに狂気の沙汰。
当時のニキ・ラウダはレース中に生きている事が不思議な位の事故を起こし大怪我を負ってしまいます。そこから執念をもって文字どおり奇跡のカムバックを果たし、レースへ復帰するのですか・・・!
どれほどの酷い怪我だったのかを紹介したいので、ウィキペディアからの引用をさせていただきます。
頭部に大火傷を負い、FRP製のボディーワークが燃えて発生した有毒ガスを吸い込んだため、肺に深刻なダメージを受けた。全身のおよそ70%の血液を入れ替え、数日間生死の境をさ迷ったが、牧師が病室に訪れた途端にラウダは驚異的なペースで回復。事故発生から6週間後の第13戦イタリアグランプリで奇跡のレース復帰を果たし、4位入賞した。大腿部の皮膚を移植した顔の右半分には火傷の跡が生々しく残っている状態だったが、ラウダは周囲の好奇の目を気にする事も無かった。
極限の冷静さと執念めいた狂気の情熱が交錯する男の世界を垣間見たい方向けの映画です。
F1が好きな人はもう観てると思うので、レース関係に興味が無い人にこそ観て欲しい。
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9.ブラックスワン
ナタリー・ポートマンの美しさを堪能したい方にオススメの本作。
トップの世界でバレエを踊るのに情熱と才能だけではなく狂気じみた執着心も必要なのだと思わせる作品。
ダンサーたちが美しく踊る水面下では、このような醜くも美しい争いが繰り広げられていたなんて・・・。
ライバルを蹴落とし、プレッシャーと戦い、幻覚と戦い、監督を誘惑し、とうとう主役を勝ち取る主人公のニナの姿は何かに取り憑かれた魔物の様 。
視覚的な美しさの奥に潜むバレエへの執念と狂気を感じたい方に。
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10.メメント
奥さんを殺された男が復讐に燃える話。ただし、彼は10分間しか記憶が保てない前向性健忘症。
物語は時系列順ではなくラストシーンから展開されて、少しずつ最初のシーンに向かっていくという手法が取られているので、見ているこちら側も主人公と同じ気持ちで見られる作品になっています。
短期記憶しか身体中にメモ代わりの刺青を入れ、ポラロイドカメラで写真を撮ってメモを書き記憶を繋いで行くのだけれど、次第に手段と目的が逆転していきます。
目的を見失う事を良しとした、主人公の狂気と忘却感に染まりたい方にオススメの映画です。
短期記憶しか持てない人物の気持ちを体験出来る稀有な映画です、未視聴の方は是非。
確かDVDには物語をきちんと時系列順で見られるモードも入っているので、二回目はそれを見て楽しむのもアリです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
狂気と一口に言っても色々なものがありますね。
こんなの狂気じゃねーよって映画も有るかも知れませんがご容赦くださいね。既に他にも思いついた映画が何本かあるので、いずれ別なエントリーで紹介したいなとおもいます。
ではでは、次の記事で・・・。
今回紹介した映画の何本かはAmazonプライム・ビデオで見られますよ。年末年始にいかがでしょうか。
2週間の無料体験もあります。もしよかったら、チェックしてみてください。
おまけ
公開は1月だけど、ちょっと楽しみな狂気を感じる映画。